2026年の不動産市場は、これまでの上昇トレンドから一転し、明確に“潮目が変わった”と言える状況になっています。

REINSの2026年8月データを読み解くと、

  • 東京都の成約数:前年比 −18.7%
  • 都心3区:前年比 −38.9%

という、過去に例を見ない成約数の急減速が数字として表れています。

一方で、埼玉・千葉は成約が増加し、単価も上昇。
理由はシンプルで、「実需がまだ買える価格帯だから」です。

本記事では、REINSのデータと現場の最新情報をもとに、今起きている市場の変化と、買うべき人・待つべき人の判断基準をプロ視点で解説します。

REINS「2026年8月度 Market Watch(mw_202608_summary.pdf)」

1. 成約価格と売り出し価格の乖離が鮮明に

REINSの8月データでは、成約件数が前年比−10.5%と減少する一方で、新規登録と在庫は増加。
成約㎡単価は81.60万円で4ヶ月連続下落し、1990年の水準を下回りました。
しかし売り出し㎡単価は116〜119万円と上昇が続き、平均価格も成約より1,800万円以上高い状態。
売主の強気な価格設定と、買主の購買力低下がズレ始めていることが数字で明確に表れています。

2. 地域別に見る成約の明暗と単価の動き(マンション)

東京都区部の成約件数は前年比−20.6%と大幅減で、埼玉(+5.4%)と千葉(+0.3%)以外の地域はすべて減少。
成約㎡単価では東京都区部が132.69万円で76ヶ月ぶりに下落(-0.3%のみ)、横浜・川崎も2ヶ月連続で微減。
一方、多摩・神奈川他・埼玉・千葉は単価が上昇し、郊外エリアは堅調。
都心の成約減少と単価下落に対し、周辺県は「成約増 × 単価上昇」という対照的な動き。
理由はシンプルで、埼玉・千葉は“実需がまだ買える価格帯”だから成約が伸びている。

3. 都心3区は“−38.9%”という歴史的な落ち込み

さらに衝撃的なのが、 都心3区(千代田・中央・港)の成約数 −38.9%
都心は価格上昇が続いていたエリアですが、ここまで成約が落ち込むのは極めて異例。

  • 高値圏の限界
  • 金融機関の融資姿勢の変化
  • 買い手の購買力低下

これらが一気に表面化した結果です。

4. これから買う人の判断基準

◆ 都心3区で買う予定の人・現金一括で買う人・投資目的で買う人
買い急ぐ必要なし。指値交渉の余地が大きい

◆ 東京都内で買う予定の人
→ 金利上昇(2%程度)にも耐えられる予算で買う。

◆ 郊外(埼玉・千葉・神奈川)で買う人
→ 普通に買ってOK。実需が買える価格帯で堅調。

5. 金利が下がる10年後に買う?

賃料25万円のファミリー物件に10年住めば、総額は3,000万円
10年後にマンション価格が3,000万円以上、下がっていなければ、賃貸の方が損になる計算(ざっくり計算しています)。
例えば8,000万円のマンションが5,000万円まで下がるか?
現実的には下がらない。

◆ 金利と支払額の関係(数字で見ると一目でわかる)

  • 金利1% × 8,000万円借入 → 月返済 約22.5万円
  • 金利2% × 8,000万円借入 → 月返済 約26.5万円

金利上昇による差額は約4万円。

この「月4万円の負担増」を価格で調整しようとすると、

  • 金利2%で月22.5万円に抑えたい場合の借入額 → 約6,800万円

つまり、金利の仕組みから考えると、マンション価格が3,000万円以上下がる可能性はほぼありません。
金利が1%→2%に上がっても、価格調整幅はせいぜい1,200万円程度。
「8,000万円が5,000万円になる」という下落は、現実的には起こり得ないのです。
だから「2%まで上がっても返せる価格帯」で早めに買う方が合理的。

6. 買い替え戦略:調整局面は“売り先行”が有利

市場が調整局面に入った今は、

売り先行(まえ売り)が有利
  • 売却価格が読みにくい
  • 買い手の購買力が落ちている
  • 売却に時間がかかる可能性がある

買い先行(あと売り)はややリスクが高くなります。

■まとめ

2026年の不動産市場は、 「東京都中古マンションの急減速 × 郊外・戸建ての堅調」という二極化が明確になりました。

現金一括の方、都心3区を狙う方以外は、早めの購入が合理的という結果です。
購入時期を遅らせれば返済期間は短くなり、住宅費の総支払額は確実に増えます。

また、今はローンが通っても、健康状態が悪くなれば住宅ローンは通りません。
「家が欲しい」と思っているなら、若くて健康なうちに買うことが本当に大切です。

売却・購入の判断は、エリア・物件タイプ・予算・時期によって大きく変わります。

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